【江戸のデザイン】浮世絵の金魚がかわいい!(歌川国芳・歌川国貞)

歌川国芳「きん魚づくし」

金魚が日本にきたのは室町時代、中国からやってきました。

江戸になると一般庶民の手にも届くようになり、ちょっとしたブームになります。

歌川国芳の「きん魚づくし」

歌川国芳(1798-1861)

金魚をはじめとし、亀やカエルなど水中の生物を擬人化した、ユーモアと愛嬌たっぷりの浮世絵シリーズ。

「きん魚づくし」は全部で9種類あります。

特に「ぼんぼん」は最近発見され、2011年に初公開されました。

歌川国芳《きん魚づくし》玉や玉や
玉や玉や 東京国立博物館

「玉や玉や」はシャボン玉売りの掛け声。亀も金魚もカエルになりかけのおたまじゃくしも、みんなシャボン玉に夢中。

歌川国芳《きん魚づくし》さらいとんび
さらいとんび 東京国立博物館

とんびに何かを攫われたところ。とんび役も金魚にするのは無理があるけどかわいい。店の看板の献立は、赤ボウフラにみじんこ。

歌川国芳《きん魚づくし》百ものがたり
百ものがたり 東京国立博物館

「百物語」は怪談を100個話し終えるとお化けが出てくるという遊び。お化けの代わりに猫が出てきて大混乱。

歌川国芳《きん魚づくし》酒のざしき
酒のざしき

金魚の宴会。蓮の葉の盃を手に、踊っているのがかわいい。

歌川国芳《きん魚づくし》にはかあめんぼう
にはかあめんぼう

「にわか雨」とあめんぼうをかけている。みんな葉っぱの傘を持っているのがかわいい。

歌川国芳《きん魚づくし》いかだのり
いかだのり

木で出来たいかだに乗る金魚。そこは泳げば良いのでは?というツッコミはなしで。

歌川国芳《きん魚づくし》ぼんぼん
ぼんぼん

「ぼんぼん」はお盆の頃、子供たちが手を繋いで歌いながら歩く遊び。

歌川国芳《きん魚づくし》まとい
まとい

「まとい」とは江戸時代の火消しの旗印。め組が有名。

歌川国芳《きん魚づくし》そさのおのみこと
そさのおのみこと

八岐大蛇に見立てたうなぎを退治している。

「金魚づくし」の壁紙をダウンロードできる!

江戸時代の浮世絵版画の制作技術を継承し、浮世絵版画の復刻や木版画制作の企画・販売を行っている「アダチ版画研究所」さんが、「金魚づくし」のスマホ用壁紙を作成してくれました!

「木版画の質感を身近に楽しんでいただければ幸いです」ということです。

研究・復刻されているだけあって画質や色も綺麗になっているので、ぜひ見てみてください。

浮世絵のアダチ版画 歌川国芳「金魚づくし」壁紙ダウンロードページ

着物も金魚柄!「江戸名所百人美女」

歌川国貞、歌川国久 江戸名所百人美女 東本願寺
歌川国貞、歌川国久 江戸名所百人美女 東本願寺 東京国立博物館

江戸の名所と共に描いた美人画です。

国貞が女性を描き、弟子の国久が右上のコマ絵に風景を描いています。

この絵の振袖は、よく見ると金魚がたくさん。

キラキラした水面にゆらめく水草、ふっくらした赤い金魚、賑やかで楽しい模様です。

着物部分アップ
着物部分アップ

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Posted by Yuhomyan