手軽に描ける趣味の日本画「顔彩」を始めよう!
この記事では、初心者でも気軽に始められる趣味の日本画「顔彩」について語っていきたいと思います!
特殊な道具も使わず、絵の具と筆さえあればすぐに描き始めることができます。
それではさっそくみていきましょう。
「顔彩」ってなに?
顔彩とは、顔料を使って作られた固形の絵の具で、水で溶いて使います。
身近なものでは絵手紙などによく使われます。
日本画では普通、岩絵具や水干絵の具を膠(にかわ)や胡粉と混ぜたりと手間がかかるのですが、顔彩は誰でも気軽に楽しむことができるのが魅力です。
必要な道具も筆、紙と一般的なものだけなので、日本画と言っても水彩絵の具のように気軽に楽しむことができます。
水彩絵の具との違い
- 材料の違い
- 見た目上の違い
この2つの違いについてお話ししていきます。
顔彩・水彩の原材料の違い
まず、原材料ですが、顔彩・水彩ともにどちらも色の成分には顔料を使っています。
違うところは、使用している接着剤です。
絵の具を紙に定着させるために接着剤の成分を入れるのですが、顔彩はコラーゲン由来の膠(にかわ)を使っている一方、水彩ではアラビアガムという樹脂が使用されています。
しかし、現代では全体的な絵の具の性質がよくなっているため、趣味の範囲であればどちらの絵の具を使ってもそこまで差は出ないそうです。
顔彩・水彩の見た目上の違い
見た目上の違いは「色」です。
水彩は西洋画由来、顔彩は日本古来のカラーバリエーションになっています。
そのため水彩画風の構図やタッチで描いても、顔彩を塗るだけで日本画風の雰囲気になります。
慣れた人なら水彩でどんな色でも作れると言いますが、おそらく初心者が、水彩で和風の色を作ることは難しいでしょう。
誰でも手軽に日本画を楽しめることも顔彩の魅力です。
顔彩を使って描いてみました
それでは実際に、顔彩を使って描いた作品を紹介しますね☺︎
雰囲気はこんな感じになります。
初心者でも薄塗りで深い色合いを出せるのが、描いていて楽しかったです。
顔彩を使った絵の描き方
趣味であれば特に深く考えず、水彩絵具のように描いて(扱って)大丈夫なのですが、よりわかりやすくするためにメーカーさんの動画を乗せておきますので参考にしてください。
顔彩を使って気がついたこと
顔彩を使ってみて気がついたこと、これから始める方が気をつけたい点などをまとめます。
- 固形の時と溶かした時で絵の具の色がけっこう変わる
- 混ぜすぎると濁る
- 汚れないように机の上に新聞紙などを敷く
まず気をつけたいことは、固形の時とかなり違う印象になることがあります。絵に塗る前に一度、別の紙で試し塗りをおすすめします。
水の量で色味も変わって見えたりするので、いろいろ試して楽しんでみてください。
また、混ぜすぎると色がにごってしまうので、慣れるまでは単色か、混ぜても2色くらいにしたほうが上手く描けるかもしれません。
最後の、「汚れないように机の上に新聞紙などを敷く」というのは普段から絵を描いている方には当たり前かもしれませんが、自分のように大人になってから久しぶりに描く人にとっては意外と盲点なので一応加えておきました。
初心者におすすめの道具(絵の具・筆など)
おすすめの絵の具
吉祥顔彩 35色セット
吉祥というメーカーさんの35色セットを使っています。
絵の具メーカーにもいろいろあるのですが、調べたところ、吉祥の顔彩は水干絵の具という本格的な日本画の絵の具にも使用されている質の高い顔料を使っているため、綺麗な発色と滑らかな描き心地が特徴とのことでこちらを選びました。
また、セットになっているのですぐに描き始められるのも嬉しいですね。
セットは少ないもので8色、多いもので100色までありますが、おすすめは35色セットです。
初心者は24・35・48色のどれかかな〜と思うのですが、24色との違いは、35色には金・銀が入っていることです。特に金を使うと一気に日本画っぽくなるので気に入っています。
セットの色のチョイスですが、日本画の題材に植物が多いこともあってか朱・桃・黄・茶・緑など花や果実系の色が豊富です。
特に茶色、緑系が多いので、枝や葉の微妙な描き分けがしやすいと思います。
また、定価は4600円なのですが、Amazonなら3822円と少し割引で買うことができるのでおすすめです。
おすすめの筆
日本画の筆は主に面相筆・彩色筆・平筆を使います。
面相筆は細かいところに適した細い筆、彩色筆は絵の具をたっぷり含むことができる、色塗りに適した筆です。
面相筆だけで塗っていると細くて効率が悪いので、細かい部分を描くのは面相筆、色を塗るのは彩色筆と分けて使います。
平筆は背景や水面などの広い面を均一に綺麗に塗るのに重宝します。
面相筆 | 線や細かい部分を描くのに重宝 |
彩色筆 | 色塗りの時にメインで使う |
平筆 | 広い面を均一に塗る |
私は世界堂という本店が新宿にある大きな画材屋さんで見つけた、太さの違う面相筆を4本と平筆を1本使っています。
絵の具ならオンラインの方が安くてお得だったりもしますが、筆の場合は絵の具と違って実際に持った時の感覚も見たいので、実店舗で買った方が良いのかなーなんて思ったりもします。手触りや重さなどにもこだわって選びたい方は、やはり実店舗がおすすめです。
商品の数も多く、見ているだけでも楽しくなってきます。
とはいえ、実店舗に赴くのは最近の社会情勢的に難しい場合もありますよね。
オンラインで買う場合は、面相筆・彩色筆・平筆が1本ずつセットになったものが1番スタンダードで使いやすくて良いかなと思っています。
まとめ:手軽な日本画「顔彩」を楽しもう!
以上!
初心者にも気軽に描ける日本画、顔彩についてでした!
顔彩は水彩感覚でかけるところ、特殊な道具もいらないところ、手軽に和風の深くて優しい色合いが出せることが魅力です。
これから日本画に興味を持ってくれる方が一人でも増えたらいいなと思っています!
いずれは動画の方でも発信してみたいと思っています😄