琳派って何?絵画鑑賞が楽しくなる有名な絵師や作品を紹介!

現代でも根強い人気を誇る琳派。

日本美術に触れると、必ず触れる言葉だと思います。

琳派とは日本画の流派で、桃山時代後期に始まり、近代までの約400年間続きました。

装飾性・デザイン性が高いことが特徴で、ヨーロッパの印象派や現代の日本画、デザインにも大きな影響を与えています。

今回はそんな琳派について解説していきたいと思います。

琳派発展の歴史

琳派の歴史は長く、桃山時代後期に始まり、近代まで約400年間続きました。

琳派の始まりは、桃山後期〜江戸時代初期の京都の芸術家、本阿弥光悦・俵屋宗達(不明〜1640頃)の二人です。

100年後、二人の作品に感銘を受けた京都の呉服商・雁金屋の長男、尾形光琳(1658〜1716)がさらに発展させ、琳派としての基礎を作ります。ちなみに、「琳派」という名前は光琳からとっています。

さらにその100年後、光琳の作品を見た江戸の絵師、酒井抱一(1761〜1829)によって、京で生まれた琳派は江戸にも定着していきました。

そしてさらに100年後、明治の西洋画ブームの中、神坂雪佳(1866〜1942)が琳派ブームを復活させました。

琳派の特徴

琳派の特徴には、高いデザイン性や、絵だけでなく工芸品も含める総合性独特の継承スタイルなどが挙げられます。

私淑:琳派の継承スタイル

特に継承の仕方は特殊で、琳派は「私淑(ししゅく)」によって受け継がれていきました。

私淑とは、師匠から直接教わるのではなく、自分の好きな画家の作品を個人的に模写・研究する、という絵の勉強法です。

以前の記事でお話した、風神雷神の絵などがまさにそうです。

私淑によって、100年前の作品からも学ぶことができ、そうして400年もの間、琳派は受け継がれていきました。

琳派の代表的な絵師と有名な作品

本阿弥光悦・俵屋宗達

二人とも桃山後期〜江戸初期に活躍した芸術家で、交流もありました。

本阿弥光悦は書道家&陶芸家、俵屋宗達は絵師です。

本阿弥光悦

鶴図下絵和歌巻》(京都国立博物館)(重要文化財)本阿弥光悦

この鶴のように、「同じモチーフを繰り返して模様のように使う」アイディアは、後の尾形光琳の《燕子花図屏風》でも採用されています。

《不二山》(国宝)本阿弥光悦

本阿弥光悦は陶芸もしていて、国宝にもなった「不二山」というかわいい茶碗を作っています。コロンとして親しみやすいデザインですが、国宝の茶碗の中では唯一製作者の名前がわかっているすごい子なんですよ。

俵屋宗達

風神雷神
《風神雷神図屏風》(京都国立博物館)(国宝)俵屋宗達

風神雷神の後ろの雲は「たらしこみ」という、絵の具のにじみを利用し、敢えてぼかす技法が使われています。これも後の琳派作品たちに影響を与えていきます。

尾形光琳・尾形乾山

江戸中期の京都の呉服商・雁金屋の兄弟です。

兄の光琳が絵師、弟の乾山は陶芸家でした。

尾形光琳

京都の呉服商・雁金屋の長男です。

俵屋宗達らから学んだ内容をさらに発展させ、琳派の基礎を作った人物とされ、デザイン性の高い(=おしゃれな)作品が得意です。

《紅白梅図》(MOA美術館)(国宝)尾形光琳

見たままに書くのではなく、デザイン的な美しさを重視した構図や水の表現になっています。また、梅の木の部分にはたらしこみが使われています。

燕子花図屏風
《燕子花図屏風》(根津美術館)(国宝)尾形光琳

パターンの繰り返しや少しデフォルメした花の形が特徴的です。

尾形乾山

雁金屋の三男です。

《茶碗 銘夕顔》(大和文華館)尾形乾山

夜に咲く花、夕顔が描かれています。デフォルメされた花のデザインが琳派的です。

他にも乾山が陶芸を作り、光琳が絵付けをして、兄弟一緒に仕事をしていたこともありました。

酒井抱一・鈴木其一

江戸時代後期の江戸(東京)の絵師たちで、尾形光琳の私淑をし、京で始まった琳派を江戸で開花させました。

抱一が師匠、其一が弟子です。

琳派絵師にしては珍しく、其一は師匠の酒井抱一から直接の手解きを受けていました。

酒井抱一

《夏秋草図屏風》(東京国立博物館)(重要文化財)酒井抱一

元々は、尾形光琳が模写した風神雷神の裏に描かれていましたが、今では剥がして別々に保管されています。

余白を大きく取る構図や、デフォルメされた川の表現が琳派らしいですが、こちらは落ち着いた色でまとめられています。

豪華絢爛とわびさびが両立しているのも、日本絵画の魅力です。

鈴木其一

《朝顔図屏風》鈴木其一

尾形光琳の燕子花図屏風を思わせる、金色の屏風に、群青と緑青の絵の具の組み合わせです。

「見たままよりも綺麗に描く」というデザインの要素は受け継ぎながらも、植物をデフォルメして描いた光琳に対し、其一は細部の形状や色のグラデーションなど、より写実的に描きました。

神坂雪佳

明治〜昭和初期に活躍し、画家・工芸家・デザイナーなど幅広く手掛けました。

陶芸意匠や図案を学んでいただけあって、洗練された、モダンな作品が多いです。

23歳で図案家(現代で言うデザイナー)岸光景に師事して工芸意匠を学び、その頃から琳派に目を向け研究を始めたそうです。

明治という、世の中の流れが西洋絵画に向かいつつある中で、琳派を学ぶ選択をしたのは本当にすごいことです。

《四季草花図屏風》神坂雪佳

最後に

以上!琳派についてでした。

日本画の展覧会や本などを見ていると、必ずどこかで「琳派」と言う言葉を聞くと思います。それくらい影響力のある流派です。

琳派がわかると、日本画を見るのがもっと楽しくなると思います☺️