【かわいい日本画】ふわふわ!江戸絵画の小動物たち
「かわいい」は最近に始まったことではない!
ここでは江戸の絵画に出てくる、かわいい動物たちを紹介します。
うさぎ
日本でうさぎは16世紀に舶来し、江戸時代中期には広く飼われていました。
江戸の日本画にはうさぎを題材とした作品も多く、馴染みの深かった動物といえます。
参考(昭和のうさぎ):白くてふわふわ、奥村土牛の兎がかわいい!(かわいい日本画)
鍬形蕙斎「鳥獣略画式」
驚くほど単純・簡単に描かれているものの、リアルな兎らしいポーズがかわいい。
ぺたーんとしたり丸まったり、愛嬌たっぷりです。
これは鍬形蕙斎(くわがたけいさい)の「鳥獣略画式」に出てくる兎。
「略画」つまり「簡単に描くためのアイデア」で、シンプルだけどまるっとかわいい動物たちがたくさん載っています。
参考:【かわいい日本画】鍬形蕙斎の「鳥獣略画式」がとんでもなくかわいい!
円山応挙 「木賊兎図(とくさうさぎず)」
ふんわりリアルな円山応挙のうさぎ。ほわほわ毛並みの柔らかさ、なめらかさがひしひしと伝わってきます。
円山応挙 「写生図巻(甲巻)」
2019年に東京・京都で行われた展示会「円山応挙から近代京都画壇へ」では、まるっとしたもふもふかわいらしいうさぎも展示されました。
円山応挙 まるやまおうきょ 1733 – 1795
江戸中期、京都で活躍した日本美術史の巨匠。
「日本美術史における革命は2回あり、2回目は明治維新、最初の革命は円山応挙の動物画」とする考え方もあるくらいです。
応挙以前の絵に登場する動物は単純なものでしたが、応挙は動物を細部まで観察し、リアルに写生したかわいい動物画を描き、一気に流行らせました。
「動物をリアルにかわいく描く方法」を作ったすごい人なんですよ(しのぶさん風)。
ねずみ
ねずみは米を食べてしまうため迷惑がられる一方で、縁起の良い動物とされ愛でられてきました。
伊藤若冲「鼠婚礼図」
鼠の結婚式の様子を、擬人化して描かれています。
婚礼の席に、2匹のねずみがやってきたところ。大きな袋を背負ってやってきた大黒さまかのようです。
中村芳中「光琳画譜」
なんでも脱力系かわいくしてしまう、中村芳中の手によって、ゆるっとかわいく描かれています。
「光琳画譜」にはこのような、ゆるっとかわいい作品がたくさん載っているので是非他も見てみてください。
参考:【光琳画譜】中村芳中のゆるくてかわいい日本画(かわいい日本画)
りす
森徹山「檜に栗鼠図」
絵の題材となっているのは日本リス。デフォルメされず、写実的に描かれています。
テンやムササビと混同されることもあったものの、江戸時代から馴染みがあった模様。江戸庶民の百科事典「本朝食鑑」には、「鉄カゴで飼わないと、噛み切って逃げてしまう」リスの飼い方も記されていたそうです。
森徹山 もりてつざん 1775 – 1841
大阪で活躍した森派・四条派の絵師。
動物画で有名な円山応挙の晩年の弟子。
ふわふわな毛並みが得意で動物画の作品が多い。
すずめ
長沢芦雪「喜雀図」
長沢芦雪 ながさわろせつ 1754 – 1799
江戸中期に京都で活躍した絵師。円山応挙の弟子。
虎の絵が有名で大胆な構図の作品が多く、「奇想の画家」とも言われるが、かわいい作品も得意。
鍬形蕙斎「鳥獣略画式」
たくさんのすずめたちがかわいらしく描かれています。
参考:【かわいい日本画】鍬形蕙斎の「鳥獣略画式」がとんでもなくかわいい!