書評・レビュー「浮世絵の解剖図鑑 江戸の暮らしがよく分かる」

画集ではなく「解剖図鑑」とは一体どんな内容なんだろう、そんな思いでこの本を選びました。

浮世絵の解剖図鑑

牧野健太郎

エクスナレッジ (2020/9/3)

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画集ではなくて「図鑑」

タイトル通りなのですが、画集ではなく「図鑑」です。実際の絵ではなく、代わりに説明を分かりやすくするためのイラストが載っています。

その代わり、ジャンルや絵師ごとの有名な浮世絵に関する解説や見所を、当時の文化と交えて細かく紹介してくれます。

各浮世絵の画面の端から端まで解説された、とても情報量が多く、見ていて飽きない1冊となっています。

特に気になった作品や好きな絵師さんがいる場合は、画集を片手に見るとちょっとした博物館・美術館気分が味わえるかもしれません。

「図鑑」「江戸の暮らしがよく分かる」というこの本の特性的に、沢山の作品を浅く広く紹介したものとなっているので体系的にじっくり深く学びたい方には物足りないかもしれませんが、興味を持つきっかけ、またはすでに知っている絵の新しい見方を再発見する本としては最適だと思います。

イラストによる視覚情報の多さと文章の読みやすさの点でも、浮世絵に興味を持ち始めた方にもおすすめです。

本当にたくさんの作品が載っているので、すでに浮世絵ファンの方も新しい見方、もしくは今まであまり注目していなかった作品に出会うという点でも、楽しく読める本だと思います。

浮世絵の解剖図鑑

牧野健太郎

エクスナレッジ (2020/9/3)

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書評

Posted by Yuhomyan