京都の2大かわいいの巨匠!応挙と蘆雪
日本画が好きです。中でもかわいい動物の絵が好きです。
ということで、今回は江戸時代の京都画壇を「カワイイ!」で彩った2大巨匠・円山応挙と長沢芦雪について、広く知られている子犬と虎の絵を見比べながらお話ししたいと思います。
師・応挙と弟子の蘆雪
まずは簡単に2人のプロフィールからご紹介します。
円山応挙
1733〜1795
近現代の京都画壇にまで続く「円山派」の祖であり、それまでの日本絵画には見られなかった写生を重視した表現が特徴です。写実的でありながらも、柔らかで親しみやすい画風は、当時も現代まで、多くの人に愛されています。
長沢蘆雪
1754〜1799
「円山応挙の弟子」と紹介されることの多い蘆雪ですが、応挙の写生を重視する姿勢はそのままに、遊び心のある発想や時には師と異なる力強い表現で、独自のスタイルも築いていった画家です。
その大胆な構図や奔放な筆使いから、現代では伊藤若冲や曽我蕭白に並ぶ「奇想の絵師」の1人とされています。
江戸かわいいの代表!応挙と蘆雪の描いた子犬
円山応挙の有名な子犬!〈狗子図〉
きゅるるんとした表情に釘付けになる、応挙の有名な作品。その人気は現代でも健在で、イラストやグッズにもなるほどです。
長沢蘆雪の子犬
揃って後足をだらりと投げ出したポーズがかわいい子犬たち。まるで休日の人間みたいですが、実は本物の子犬にもよく見られるポーズで、可愛さを追求しつつもしっかり観察・写生を重視していたことが伺えます。
また、蘆雪の犬では有名な作品に、こちらの屏風絵もありますね。
こちらでは写実よりもキャラクター化というか、より可愛らしさを追求している気がします。
流石!虎まで可愛くしてしまうとは!
円山応挙〈猛虎図〉
ふわふわ柔らかそうな毛並みと、まるっとしたフォルムや大型犬のようなポーズ。目線や表情も、飼い主を見上げる子犬のようです。
実は応挙は虎の作品も多く残しており、そのうちの一つはこの記事でも触れています。
大迫力の中にもかわいさ!長沢芦雪の虎
蘆雪が33歳の時、応挙の代理として紀南に赴き、無量寺の障壁画を手掛けました。その時の作品がこの虎図襖です。「奇想の画家」らしい奔放な筆のタッチで、師匠とはだいぶ異なる表現をしています。
応挙の虎に比べ、こちらはスリムで豹のようなスタイルをしています。目の描き方は、師匠と似ていると思いました!