【美術の経済 ”名画”を生み出すお金の話】アートを経済でひもとく視点が面白い!【レビュー・書評】
なんとなく手に取った本がとても面白かったので紹介します!
「美術の経済 ”名画”を生み出すお金の話」!
言われてみれば、綺麗な作品の裏では経済も大きく動いてきたのだろうけど、そんな視点で考えたことなかったなぁ、と思いながら読んでいきました。
「美術の経済 ”名画”を生み出すお金の話」ってどんな本?
この本は、現代美術画家、サイ・トゥオンブリーの《無題》という落書きのような絵が87億円で落札されたところから始まります。
これを見るに、美術はかなり特殊な経済学理論で成り立っているのではないか?
ダ・ヴィンチやピカソといった有名画家、時代とともに変わってきた美術の形、贋作(偽物)や、パトロンや美術商、また今後の美術の経済にも触れています。
時代ごとの画家の仕事・残った作品・消えていった作品、どうしてそうなったのかを経済的な視点から紐解いていく、という本です。
日本美術ファンなら必見:浮世絵に見る商業アート
日本画・浮世絵ファンとしても面白かったのは、第2章の「浮世絵に見る商業アート」でした。
江戸時代に国内外で大流行した理由、明治維新以降、浮世絵が残らなかった理由なども描いてあります。
あとはフランスの画家が葛飾北斎の「富嶽三十六景」のオマージュとして「エッフェル塔三十六景」という作品を作っているのが面白かった。
浮世絵ってやっぱり、富裕層向けの芸術とは違う発展の仕方や売り出し方、制作過程があって面白いですね。
普通の芸術と全く違っていたから、世界的にも有名になったんだろうな!
美術館を維持するのは結構大変。だからどんどん行っておきたい
本によると、日本は「美術大国」、本当にたくさんの美術館があるそうです。
美術館の運営・維持管理にも多大なる費用がかかっているので、ぜひ行っておきたいですね。
私も実は日本美術にはまってからの歴は浅いのですが、美術館で実物を見るのは印刷物とは全然違った楽しさがあるなとは思っています!肉眼でしか見えない絵の具の凹凸や微妙なぼかし・にじみ加減がみられて面白いです。
それにあの静かな空間が好きなので、やっぱり行ける時に行っておきたいし全国にいろんな美術館が多数あるのはありがたい!
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まとめ
芸術を守ってきた先人と美術館に感謝!
特に、美術館には感謝です。
莫大なお金や覚悟をかけて素敵な作品たちが展示されていると思うと、やっぱり色々実物を見ておきたいなと思います。
また、ビジネス・教養本としても面白いからぜひ!
私は美術ファンなのであくまでアートにフォーカスして読みましたが、普通に経済を中心にビジネス本としても面白いと思います。