【図譜のデザイン】桜の図鑑「浴恩春秋両園桜花譜」がかわいい!
江戸の桜図鑑「浴恩春秋両園桜花譜」とは
これは、寛政の改革を行った松平定信が築地霊厳島(現在の東京都中央区)の下屋敷に植えていた124種類の桜を、画家の谷文晁に描かせた図譜の転写本(狩野良信 写)です。
実は、江戸は動植物図鑑が盛んになった時代です。その理由には、
- 戦国時代が終わり世の中が平和になったため、学問の振興が求められた
- 各藩が殖産事業をおこすにあたって「諸国産物帳(全国の動植物図鑑)」が編集された
といったことが挙げられます。
「諸国産物帳」とはいわば全国の動植物図鑑で、幕府が領内のすべての産物を調べて報告するために医官の丹羽正伯に命じて組織的に村々に報告を求め、各領がその報告を元に編集する形で作成されたものです。これには全国の動植物、鉱物等産物を網羅的に調査した内容が書かれています。